銃弾の種類別に断面図を見ると仕組みや貫通性能が分かる。
銃弾の種類別に断面図を見ることによって銃弾の内部がどのような仕組みになっているのかが分かる。銃弾の内部構造を目で見れる機会は少ないと思うのでハンドガン、ライフルの銃弾断面図を利用してご紹介しよう。
銃弾の仕組み
銃弾は大きく分けて4つで構成される。
薬莢/シェル
薬莢は全てを保持するために存在している。映画などで銃を撃った際にポンっと飛び出てくるのが空になった薬莢だ。 薬莢には長さと口径の概念があり銃によって様々になる。また下から上に見ていくと細くなる部分をショルダーという、ショルダーにも役割が色々とあるが今回は割愛させていただく。 それでは下から上に順番に説明していこう。
信管/プライマー
銃弾下部にある四角い部屋にはプライマー(発火装置)が収まる。 プライマーは銃の撃鉄で叩くと発火し熱と炎がガンパウダーに伝わりガンパウダーが発火し弾頭を押し出す。つまりは銃弾は2回の爆発で成り立っている。プライマー単体でも結構な爆発力がある。
火薬/ガンパウダー
下部に詰っている砂鉄状の物はガンパウダー(火薬)で通常の火薬と違い燃焼速度が速いので一瞬で膨張し弾頭を押し出す。 ガンパウダーにも色々と種類があるが主に燃焼速度の違いだ。日本で火薬というと黒色火薬であるが全くの別物である。
弾頭
弾頭はフルメタルジャケットやホローポイントなど種類の名称で言われる場合が多い。弾頭は発射される部分でガンパウダーの爆発により押し出され、ライフリングを通って回転しながら飛んでいく。
銃弾/弾頭/弾丸の種類
画像内容で分けると3つに分類できる。本来は多種多様に存在する。
フルメタルジャケット弾
鉛を銅でコーティングする事により鉛の柔らかさを銅で補う。 鉛は非常に柔らかいため人体に当たった場合に過度に変形し損傷が多くなる傾向がある。そのため鉛が剥き出しの場合はハーグ陸戦条約などで戦争での使用が禁じられている。
また銅は鉛より硬いので貫通性能が向上する。銃のライフリングに鉛の粕が付着するのを防ぐ効果などあり殆どの銃弾にはフルメタルジャケットが使われている。
ホローポイント弾
先端に穴が開いてるものや穴をプラスチックで塞いでいる物はホローポイントという弾丸で対象物に当たると先端が裂け花が開いたようになるため、フルメタルジャケットよりも面積が大きくなるので損傷が激しくなる。 先端にプラスチックが付いているものは空気抵抗を減らす目的があり、主に狩猟に使われるライフル弾に多い。
アメリカ警察の殆どがホローポイント弾を使用する。1発で対象の動きを制限するためである。つまりは撃たれた場合は重症もしくは即死になるケースが多く最近では非殺傷目的のテーザー銃等が流通している。
散弾
弾頭内に玉が入っているのは散弾で粒一つ一つがバラけながら飛んでいくため命中精度は低いが至近距離で発射する場合は照準が多少ずれてもターゲットに当たるため、主にウサギなどの小動物の狩に使用される。 散弾の場合はショットガンで撃つのが主流である。
銃弾には弾頭形状、シェル、ガンパウダーなど凄まじい数の種類があり一概に説明できない事をご理解頂きたい。
銃弾の断面図
ハンドガンの銃弾断面図
左の銃弾の弾頭は鉛を銅でコーティングしているのが分かる。真ん中はホローポイント弾。
散弾の断面図
画像はハンドガン用の銃弾に散弾が使われている物になる。
ライフルの銃弾断面図
右上の画像が一般的なライフル弾になる。それ以外の物は特殊なライフル弾だ。ライフル弾はガンパウダーの量も弾頭も重いためハンドガンよりも圧倒的に威力がある。
その他の弾丸
左下の水色の部分がプラスチックになる。ホローポイント型の散弾で特殊な銃弾だ。ターゲットの内部に散弾を送り込むタイプの恐ろしい弾だと思われる。
まとめ
如何でしたか。もっと専門的に記事に起したいが種類が多すぎるので今回は掲載している銃弾の断面図を利用して説明させていただいた。他にも銃関連の記事を書いているので興味のある方はご覧下さい。
弾丸の威力については「弾丸(実弾)の大きさ一覧が非常に分かりやすい【エアーガンと威力比較】」。
警察、保安官の装備については「アメリカのパトカー内部を公開【2017年製ダッジチャレンジャー ポリス仕様】」。
レゴ人形の頭を弾頭にするについては「レゴ人形の頭を弾頭にしたレゴ弾で実銃を撃つとこうなる」。